2023年3月の記事一覧
チャットGPTにどう対応しようかを考えていました ~3学期の終わりまで
生徒を前にしたあいさつ等の中で、新型コロナウイルス感染症という表現を極力使わないと言うことを意識した時期でした。感染症状の取扱いが2類から5類に移行することが話題となり、マスクも感染のリスクに応じて着脱することや、個人の判断に委ねられるようになってきた時期でした。自分の考えを理由とともにしっかりと持ち、相手に説明できる状態で伝えることが必要であることを意図的に伝えていました。チャットGPTの日本語表記の精度の向上もあり、AIが人の思考の領域で当たり前のように利便性を拡大していることを目の当たりにし、今後の高校生の学びの意義を改めて考えています。対応が遅いかな。
今のところ、自分のあいさつの原稿は自分で推敲していますが、急に質が上がったらそれはAIのおかげです。
1月
3学期始業式 訓話
新しい年が始まりました。
今、皆さんの心の中にはどのような思いがあるでしょうか。
「「今年も」いい年にしたい」でしょうか。「「今年は」いい年にしたい」でしょうか。それとも、「「今年こそは」いい年にしたい」でしょうか。
皆さんは一人ひとりが異なる人生を送っていますが、高校生という立場からやがては社会に巣立っていくという点では共通しています。新しい年の始まりに、皆さんの人生の中で大きな変革をもたらす、社会に巣立っていくという時期について考えていますか。
例えば、今から5年後。全員が20代前半です。皆さんはどのような自分でありたいですか?どのような生活を送っていたいですか?それらは全て、今の自分の人生の延長線上にあるものです。その未来を作るのは誰ですか?皆さん自身ですよね。
思い描いた自分の未来に近づいていくために、どのような事に取り組んでいけば、その場所に行くことができるのでしょうか。皆さんの人生だから、自分からそこに行きたいと主張をしなければ、誰にもその思いは伝わるものではありません。思いが伝わっても、皆さんが望む世界に皆さんが飛び込んでいく準備をしなければ、未来への思いは儚く消え去ってしまいます。
飛び込んでいきたい世界やなりたい自分がいる世界があるのであれば、今、自分の足下がその場所に向かってジャンプできる状態かどうかを考えてみてください。
未来に向かって飛び立つことができるかどうかは、どれだけ足下を固めることができているかということに関連してきます。それは、取り組むべき事について調べたり、身につけるべき事を身につけたりすることをいいます。
新しい年の始まりの時期に、自分の未来のことと今の自分の状態を比較して、これから用意すべきものを見つけ出してください。自分の未来に関わるものであるのだから、見つけ出すものは一人ひとりが異なっているものだと思います。自分が手にしたい未来を叶えるためのものをイメージすることで新しい年をどのようにスタートさせていくのかを考えてみてください。
もう見つかっているという人はそれを手に入れるために、これから見つけるという人は、まがい物ではないものを探し出してください。
3学期は短い期間ですが、今の自分に必要なものを見つけ、未来に向かって進み始めることができるような学期となるよう取り組んでください。
以上で3学期始業式の訓話とします。
2月
3年生講話
○自己責任の世界
人の一生の中には、慎重な対応を行うことが必要と思われる場面がいくつもあります。
3年生の今の時期は、その慎重な行動をとらなければならない場面の一つと考えてもらっていいと思います。今、皆さんが手にしている卒業後の進路は、内定の状態であって、決定ではありません。内定は、入学式や入社式でその世界に入ることが許可された時点で、決定となります。その時までに事件や事故を起こしてしまったり巻き込まれてしまったりした場合、皆さんが進む予定の世界から「私たちの世界の信用を損ねる状態と考えるので、内定はなかったことにします」といわれてしまうことがないわけではありません。ただ、進む予定の世界から支障があると判断されると言うことは、相応の理由があることになるわけですから、そうならないために慎重さが必要になるわけです。
自分の進路を自分の行動で失うことがないように行動することと、そのような事態に巻き込まれないよう、危険を察知したり回避したりする能力を身につけてください。
今年、皆さんは18歳となり、成年としての対応が求められることになりました。高校生のうちはあまり意識することはなかったと思いますが、高校を卒業したあとは、様々なところで、「今ここで、あなたの考えで決めることができることですよ」といわれる場面が増えると思います。大人としての判断と、その判断による責任が求められます。目の前に現れる様々なことに対して、自分が対応しなければならないものなのか、対応したらどうなるのか、結論を出す前に考えて、自分が不幸にならない判断をしてください。
毎年、全国で高校を卒業したばかりの人たちをターゲットにした勧誘から生じるトラブルがたくさん起こっています。
被害を受けないように。
○目標を設定する
皆さんは、これからの人生、どのように送りたいですか。どのような生活を送りたいですか。自分の人生のビジョン、夢や理想、なりたい自分を思い描いていますか。なりたい自分になるためには、何をしたらいいのか、わかっていますか?
自分の叶えたい人生の状況をイメージして、それを目標として、その目標を実現するためにはどうしたらいいのかを考え、取り組んでください。そのことには何が必要となってくるのか。
いい人とのつながりが重要です。いい人とつながることができる世界に自分を持って行ってください。
実際に話し始めたら大きく脱線しました。
3月
令和4年度 群馬県立下仁田高等学校 第74回卒業証書授与式 式辞
例年になく厳しい寒さに見舞われた冬の季節も過ぎ去り、春の訪れを感じるこの佳き日に、PTA会長 松井 義博 様、副会長 佐藤 朋美 様、高嶺会会長 大手 博幸 様、卒業生の保護者の皆様のご臨席のもと、第七四回 群馬県立下仁田高等学校 卒業証書授与式 を執り行うことができますことを、心より厚く御礼申し上げます。
三一名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。入学してから今日まで、皆さんは、様々なことを学び、吸収し、華開かせる努力を続けてきました。高校生活の中で築き上げてきたものは、新しい世界へ皆さんを飛躍させようとしている力になっていると思います。皆さんが積み重ねてきた努力の賜物です。その努力は、言葉では簡単に言い表すことのできない、今までとは大きく異なったものだったのではないでしょうか。
高校生活の始まりには、先行きの不透明な時期がありました。健康上の安全を優先することを第一に考えなければならない日々が続きました。皆さんは学校からの呼びかけに応え、安全の確保の実現と維持に協力してくれました。その対応から、予測し得なかったことに耐える力、そして適応する力を身につけていったのではないでしょうか。
皆さんが高校生として過ごした日々は、世の中全体に、手本とするものが存在しない中で、新たに生じた事態への対応が求められる状態でした。何が正解なのか、用意された答えがないところに、自分たちにとって、そして世の中の人々にとって、最善と思われるものを考え、創造し、形にしていくことが求められていました。このことは、まさに皆さんが高校時代に体験し、対処したことではないでしょうか。皆さんの高校生活は、答えが用意されていないことに対応する力を養った時間であったと思います。
その高校生活の中で、多くの思いを自分の中で押さえ込み、消化し、仕方がないと納得させていたこともあったのではないですか。その時その時のおかれた環境に、自らの生活を合わせ、対応しなければならなかったことは、辛い出来事であったと思います。それらのことを乗り越えてきた皆さんの取組と行動を、称賛したいと思います。
皆さんは、高校に在学している期間に一八歳を迎え、成年となって高校を卒業する最初の学年でもあります。皆さんが活躍の場を広げていく社会は、政治も、経済も、人の集団も、これまでの常識を当てはめるよりも、前例にない、斬新な方法で望んでいくことが求められているのではと思える程に、変貌しています。
今までにはない、新しいものを作り出していく姿勢で、皆さん自身の人生を、そして、皆さんの周りにいる人たちの人生を、豊かなものにしていくことに取り組んでください。皆さんが、多感な時期を過ごした下仁田高校で、学んだり体験したりしたことが、その取組を後押しする力になれば幸いです。
結びに、本校の教育活動にご理解とご支援を賜りました保護者の皆様に、改めて御礼を申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の健やかな成長を願い、支えてこられた保護者の皆様には、喜ばしいことも、ご苦労されたことも、ともに多かったことと思います。今日の佳き日を迎え、成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。
教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。
卒業生の皆さんの前途に、幸多からんことを祈念いたしまして、式辞といたします。
令和5年3月1日
群馬県立下仁田高等学校 校長 上原 功
令和4年度 3学期終業式訓話
令和4年度における学校での活動に区切りがつこうとしています。
年度の終わりの終業式では、「この一年間を振り返り、その反省を生かしながら次の学年の目標を考えてみましょう」という発信が一般的だと思います。 そのことも伝えたいことではあるのですが、そのこと以上に、今日は皆さんに、意識して欲しいことや考えて欲しいことがあります。
この3月、4月、5月で、皆さんを取り巻く社会のありかたが大きく変化をしていきます。いろいろなことが変わるのですが、新型コロナウイルス感染症への対応、中でもマスクの着用の対応を取り上げて話しをします。
マスクの着用については、先日3月13日以降、多くの業界で「個人の判断に委ねる」としてガイドラインの見直しが行われました。ショッピングモールやゲームセンター、カラオケ店など、それぞれの表現で発信が行われています。皆さんの生活の場面場面で、ここではこうして欲しいのだけれどという先方の要望が示されている状況で、最終的には「あなたの判断に委ねます」という提示の所がほとんどです。「ここでは、マスクについてはこうしてください」という明確な指示を出している業界は一部です。
新たなルールが示されていますが、感染への不安の声が残る中で、対応に悩んで、最終的には「あなたの判断にお任せします」としたところが大半となっています。
皆さんは、自分の判断の基準を持っていますか。
意識して欲しいことや考えて欲しいことは、皆さん自身が自分の判断規準を持っていますかと言うことと、その規準について、人の同意を得ることができる内容で相手に伝えることができますかということなんです。
以前のように、全員に対して同じことが求められていた状況が、個人の自由な判断に変わります。その時、皆さんの判断はどのように対応しますか。
周りに合わせますか。自分の考えを貫き通しますか。その時の状況で対応を考えていきますか。
「個人の判断に委ねる」と言うことは、その人がどのように判断していてもその判断は誤っていないということなんです。ただ、100%正解なのかというと、そこは違ってきます。誤っていないのなら正解だろうと思うかもしれません。どういうことなのか。個人の判断の規準になっている部分に、100%自己中心の考えからの判断なのか、周りに人への気遣いを考えた上での判断なのかで、判断理由の説明が異なってきます。周りの人への気遣いや思いやる気持ちから判断すると、自分の都合だけで判断したこととは異なった対応を行うことが社会に受け入れられる判断になるかもしれません。
皆さんにはそのような判断の方法もあることを、改めて確認してもらいたいと思っています。
新型コロナウイルス感染症の話しが中心となっていますが、高校生の皆さんを取り巻く状況は、ここ何年かで大きく変わっています。自分で考え、相手に説明できる理由と、相手の同意を得られる理由を発信できることが求められています。
4月から、ここにいる全員の環境が新たな環境へと変化をしていきますが、その変化の中で、自分がどう行動したらいいのかを考えるとき、今話した内容を思い出し、周りの人が嫌な思いをしないためにはどうしたらいいのかを、自分の判断の中に加えてください。 自分の判断に責任を持てる状況を作り上げられるよう考えを巡らせることができるようになって新たな環境での生活に望んでください。
以上で3学期終業式の訓話とします。
善良という言葉の意味 ~2学期の終わりまで
始業式の訓話の中で「善良な社会」という表現を用いました。用いたあとで、その基準を考え始め、善良という言葉とその状態を現実世界の中で信じて使う難しさを認識した期間でもありました。善良という言葉があれば、その対極に位置する言葉もあります。対極に位置する言葉は自分の立場からは回避しなければならない状態ですが、その状態を正義とする考え方も存在します。かつて、担当した授業の中で、人の数だけ正義があることを生徒に伝え、個々の正義と全体的な正義の関係を考えさせていたことを思い出しながら、価値観の異なる人々からなる世相の中で、善良な対応と個人の判断のバランスがいつになったら共鳴するのか、生徒はそのような社会現象に直面したとき、どのような判断をするのだろうか、さまざまな事案の中で、学習の素材にできないものかと考え続けた時期でした。
8月
2学期始業式 訓話
皆さんこんにちは。
2学期のスタートを皆さんはどのような気持ちで迎えているでしょうか。1学期の終業式に、「2学期が始まるとき、自分が発信した情報や、対応した出来事等で、不安を抱えた状態で新学期を迎えることがないよう過ごしてください。不安を抱える状況を生じさせてしまったら、早めに担任の先生に相談してください。」と伝えました。今も同じです。不安な要素は、手遅れとならないうちに相談してください。
不安な要素と言えば、今年の夏季休業期間中も、新型コロナウイルス感染症への対応に、追われつづけたと思います。今後も、いつもと違う咳、喉の痛み、体のだるさ、発熱などがあったら、保護者の方に相談して、検査や受診をしてください。病状は、症状が軽いうちに進行し短い時間で急変することがあります。後遺症も心配です。毎日の健康観察を続けてください。今後も、感染防止対策の継続をお願いします。
さて、先ほどから、私の話の中に、相談という言葉が繰り返し出てきています。私は、高校生の皆さんほど、常識を持った「善良な社会」と、自分の未来のことについて相談という形からつながることが必要だと思っています。先日、弁護士さんと話しをする機会がありました。弁護士さんは、「18歳で成年になることは素晴らしいことだけれど、果たさなければならない責任を背負ってしまって、不幸になる人も少なくない。」と話されていました。
1学期の終業式に、「本当に信用できる人間以外に自分の個人情報を簡単に伝えない。SNS上はもちろん、対面であっても慎重になる。」という話もしました。今日は人のつながりの話をしたいと思います。
群馬県は、「SNSに頼らない人間関係を構築しよう」という呼びかけをしています。信頼できる人と、対面でのコミュニケーションを重視した人間関係を構築することを薦めています。皆さんには是非心がけて欲しい人間関係のあるべき姿です。
一方で、世の中は、自分の情報とスマートホンのアプリケーションが連動して、活用されたり利用されたりする時代になっています。日々新しいアプリが登場しています。アプリを使いこなしていくことは、今の時代、必要な能力です。アプリを使いこなせなければ日常生活を成り立たせることさえ困難になる世界は、すでに成立しています。
アプリについては、同じアプリでも年齢層の違いによって使い方が異なっていて、ヘビーユーザーは若い人が中心です。たくさんの機能を持つアプリは、自分が意識していない使い方をしている人もたくさんいるということになります。自分の理解を超える機能で情報が悪用された場合、被害を防ぐことはできず、気づいたときには事態は終了し、自分が被害を受けていたり、責任を負うことになっていたりという状況は、実際に起こっています。
皆さんは、自分のスマホをどのように使っていますか。スマホを家の人と共有して使うことは、ほとんどないのでは?アプリの使い方はどうですか?皆さんが保護者の方に使い方を教えているとしたら、皆さんの保護者は皆さんがアプリから受ける被害には皆さんよりも先に気がつくことはない。そのような状況も実際生じています。デジタルの世界は、気がつかないうちに様々な被害が発生しかねない世界でもあるのです。
残念なことですが、世の中は「善」だけで構成されているわけではありません。先ほど「善良な社会」という表現を使いました。世の中に「善良な社会」があることは事実です。皆さんは自分にとって大切な相談ができる「善良な社会」をどのくらい持っていますか?日々皆さんの中で発生する悩み事や問題。それらを相談できる「善良な社会」。学校は保護者の皆さんと同様に、皆さんにとって「善良な社会」の一つでありたい。SNSの世界が様々なアプリケーションの登場とともに多様な変化を遂げていっても、顔の見える距離でのコミュニケーションは、やはり大切な人と人とのつながりだと思います。困りごとについては一人で抱えず、皆さんにとっての「善良な社会」の人に相談し、不安を抱え続け、自分で自分を追い込むような対応にならないよう意識を払ってください
話をまとめます。2学期は、3年生にとっては、卒業後の自分を作り上げる大切な時間になります。1年生と2年生は、そう遠くない将来の自分の在り方を探していくために使うことができる時間です。自分の時間を自分のために使うことを意識し、動きが滞ったら自分にとっての「善良な社会」と相談しながら前に進むことを意識してください。
前に進むためにはどうしたらいいか。自分の好きな世界を見つけること。今、2学期の目標は?と聞かれて答えられない人は、「好きな世界を見つけること」を目標にしてみてください。そのことを自分の将来の進路とつなげて考えを巡らせてください。好きなことの延長線上に自分の進路を見つけて進むことができれば理想的です。でもそれをかなえた人が世の中にどのくらいいるのか。しかし、そうでない人は、好きでもないことをやりながら、日々の自分の生活を成り立たせるためだけの人生になってしまいます。
2学期を、「善良な社会」との相談を通して、自分の将来を考える大切時間として使ってください。
以上で2学期始業式の訓話とします。
9月
出陣式あいさつ
3年生の皆さん
下仁田高校を卒業したあと、皆さんが所属する場所を確保する時期が来ました。
進路には様々な選択肢があります。
進学を選択して学びを続けるという選択
就職して経済的な自立を目指すという選択
自分の夢をかなえるために活動するという選択
いずれの選択においても共通して言えることは、自分の希望を実現するまでは常に不安な気持ちがつきまとうということです。
進路は、結果が出るまで、誰も約束されたものを持ち合わせていません。
不安を抱えながら様々な形態の試験を受けます。そのとき、緊張もします。
不安と緊張
この不安と緊張は、皆さんだけが感じるものではなく、進路を決定する立場にいる全ての人が感じるものです。
そして、自分が納得できる結果が出ると介抱されます。
皆さんは、自分のイメージする未来を手に入れるために、自分の思いを表現し、相談し、叶えるための準備に取り組んできました。
今まで積み重ねてきた自分の頑張りを、相手に示してきてください。
皆さんの後ろには、進路に向けた皆さんの取組を応援したり、後押ししたりしてくれた人たちがついています。
積み重ねてきた自分の頑張りと自分を支えてくれている人の存在を、皆さん自身の行動力のエネルギーに変えて、実現したい進路、入りたい世界に対して、挑んできてください。
心の中は常に笑顔で!
面接終了時は最高の笑顔で御礼を述べて!
以上で、出陣式のあいさつとします。頑張ってきてください。
10月
GCH講演会 講師紹介
下仁田高校は群馬県の高校の活動の中で、ぐんまコミュニティ・ハイスクールの指定を受け、地域社会と連携した活動を行っています。
本年度、有志の皆さんが取り組んだ荒船風穴のボランティアガイドの活動はその代表的な取組となります。
コロナ禍の影響で、多くの活動が制約を受けていますが、学校としては、取り組める行事から、学校としての活動を再開していきたいと思っています。
本日はこの取組の一つとして、地域社会と連携した活動をされている皆様をお迎えして、お話を聞かせていただく機会を作ることができました。
本日お話をいただくのは、株式会社ライフタイム モジェストで代表取締役を務めておられます 寒河江 康隆 様です。
寒河江様には、「人と町と音楽作りのかかわり」と言うタイトルで、お話をいただきます。お話の後半には、実際に下仁田町に関わる曲を作ってくださっている歌菜子様と様々な活動の領域をお持ちの高橋様に加わっていただきます。
歌菜子様は2008年に、アニメ『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』のエンディング曲『あしたはきっと』でメジャーデビューをされております。その後も歌唱活動やラジオのパーソナリティを務め、活動の領域を広げられていらっしゃいます。
歌菜子様は、2015年に下仁田町公式応援ソング『こんにゃくパラダイス』の発表で町とのご縁があり、2016年4月より下仁田町観光PR大使に任命され町の活性化のために活動を行ってくださっております。
本日は、高橋 洋樹(タカハシ ヒロキ)様にもお越しいただいております。高橋様にもお話の後半で加わっていただきます。私の世代は、高橋様から、言葉では表現できないくらいたくさんのエネルギーをいただいております。
(高橋さんはドラゴンボールの主題歌を歌われている方です。 ♪駆け抜けろ ドラゴンボール♪ のフレーズの曲です。生徒にはサプライズで歌っていただければと考え、紹介の中では秘密にしていました)
高橋様からも、後ほど、皆さんに発信(歌っていただける)をしていただけるとのことです。
最後に、今回の講演会については、本校の同窓会、大手同窓会長様の、下高生の皆さんを応援したいとの思いから、多大なご協力をいただいておりますことお伝えさせていただきます。
それでは、寒河江様、よろしくお願いします。
学年別保護者会:2学年あいさつ
高校2年生という時期、お子さんと保護者の方はどのようなコミュニケーションを取ってお過ごしでしょうか。
よく話をしてくれる子、全然口をきかない子、対応の直前になってやっと話をしてくる子、いろいろなタイプのこどもがいます。
生徒は18歳になると成年として権利を行使することができます。保護者の方の同意や了解がなくても、社会的な手続きを成立させることができるようになります。ただ、生徒は社会に出た経験はありませんので、学校は、保護者の皆様との連携を取りながら生徒への指導を継続してまいります。
さて、本日はお話をさせていただきたいことが3点ございます。
始めに、進路のことです。お子さんに、3年生になってから取り組むという考えでは、希望の進路を叶えることはとても苦労すると言う話が出たとお話しください。2年生は、今、この時期に、自分の進みたい世界を考えたり、調べたりすることが大切です。3年生になってからは、具体的な出願先を決めたり、試験の受け方やその対策に相当の時間を費やすことになります。その際、進学であっても就職であっても、高校3年間の積み重ねが進路希望先による評価の対象となります。学習面と生活面の双方が評価の対象となりますが、学習面での3年間の積み重ねの成績を3年生になってからの頑張りだけで大きく伸ばすことは難しい現実があります。2年生の今が頑張りどころとお話しください。
続いて情報に係る法律の改正について、情報の提供をさせていただきます。
10月1日から、他人が発信した情報により人権が侵害されたことなどで被害届を出す場合、発信者の情報を企業から引き出すことが以前よりは容易になりました。他人を誹謗中傷する内容の発信を行ったことが確定されれば、裁判所による対応も、判決ではなく決定という形で行われるようになりました。スマートフォン等で発信された情報はプロバイダーや企業に全て記録が残ります。発信後、24時間で消える仕組みなどの情報も、人の目で見えなくなるだけで記録上は全て残ります。今までは情報を管理している会社が外国企業であった場合、発信者の情報を手に入れることに非常に時間と手間がかかったのですが、その点も変わっています。全国的に人権侵害の被害がよせられている状況が続いております。動画や画像、からかいの言葉やその他の表現など、特定の相手がわからないような表現を使っていても、自分をターゲットにしていると思った人が、嫌だと思う表現での情報を発信することがないよう、ご家庭でもお話しください。
最後に修学旅行について触れさせていただきます。
このあと、学年からも話をさせていただきますが、コロナ禍での修学旅行です。細心の注意を払って実施をいたしますが、感染症であるため、完全に防ぐことが難しい状況があります。様々な事態を想定して準備を進めておりますが、コロナ禍の場合、保護者の皆様でなければ対応できない事柄もございますので、ご協力をお願いいたします。
お願い事ばかりで恐縮ですが、生徒の将来や安全に係る話しであいさつにかえさせていただきます。本日の学年保護者会、どうぞよろしくお願いいたします。
球技大会 あいさつ
本日の球技大会の開催にあたり、早くから準備に取り組んできてくれた生徒会の皆さん、球技大会の実行委員として、本日の運営を含め、役割を担ってくれている体育委員の皆さん、ありがとうございます。
さて、皆さん。
本日は午前と午後のそれぞれの競技を通して、全員が競技に参加できるよう、球技大会の運営が考えられています。その上で皆さんに考えて欲しいことは、自分が、どのような場面で、どのような立場で、球技大会に参加するかと言うことです。出場する競技の選手という立場だけを考えた参加になるのか、他の人の競技を応援する形でも参加することができるのか、自分の在り方を考えて球技大会に臨んでください。
今日自実施する種目は皆さんになじみのある競技ですが、人にはそれぞれ得手不得手があります。素晴らしいプレーには称賛を、失敗してしまった場面には励ましや応援を送ることも人とのつながりを作り上げていく中で大切なことであることを学んでください。
本日は、競技のルール、球技大会を運営するためのルール、コロナ対策に関するルールと、多くのルールの中で、自分の体調管理をすることも求められます。競技の実施を通して自己管理も意識する機会としてください。
それでは、けがをしないように気をつけてプレーを充実させてください。
11月
修学旅行事前指導あいさつ
修学旅行は学校の授業の一環として実施します。基本的には学校生活上の規則を守りながら、旅行の栞の最初に掲げられている修学旅行の目的にかなうよう行動してください。
明日からの修学旅行、事故なく安全に実施することが大切なことです。そのため、私からは3つほどお願いをします。
1つめは、ルールを守る。
旅行中、嫌な思いをしたり、予定していた行動をとることができなくなったりすることがないよう、定められたルールを守ってください。訪問先は日本が世界に誇る文化遺産の街です。見学先それぞれにルールが設定されています。ルールに反した場合や、文化財等を破損した場合、先方の規則、状況によっては法律による対応が行われます。周りに人がいなくても、見学地や宿泊先のホテルの公的な空間の大半には防犯カメラがあります。「誰もいないから」は通用しないので気をつけてください。
2つめは、健康や安全に注意を払う。
いつもと違う環境の中で行動しますから、体調を崩したり、思わぬ事態に遭遇したりする人がでるかも知れません。アクシデントが生じれば旅行先で予定を変更することも起こりえます。そうならないよう、自己管理を行ったり、周りに注意を払ったりしてください。
3つめです。先生方からの指示を聞き漏らさない。
団体で行動する場面が多々あります。時間を意識して行動しなければならない場面もあります。先生方からの指示は皆さんが速やかな行動がとれるように発信される指示です。様々な場面で発信される先生方からの指示を聞き落とさないよう対応してください。
事故なく、安全に、そして楽しい修学旅行となるよう行動してください。
芸術鑑賞教室 あいさつ
今回の芸術委鑑賞教室は、芸術作品を鑑賞して皆さんに何かを感じ取ってもらうスタイルになっています。
これからの時間の目的は、「芸術作品を通して自己と対話ができることに気づく」ことです。今から絵画を見て、その説明を受けて、皆さんの心が目的にかなった対応を取ることができているかどうかを自分の心に問いかける形で確認してください。
本日は足利市立美術館から学芸員の江尻潔様にお越しいただきました。
江尻さんは皆さんに、石田徹也さんという方の代表作を30点ほど紹介し説明を行ってくださいます。
石田徹也さんの作品は、それぞれの作品に石田さんが込めたメッセージや様々な問題を絵画で表現し訴えかけているものがあります。
作品の背景には多くの事実が存在し、表現されています。
石田さんの絵画を通した表現を皆さんの心がどのような言葉で受け取るのか、作品を鑑賞したあと、皆さん自身の心の表現を言葉に表せるよう鑑賞してください。
それでは江尻様、よろしくお願いします。
生徒研究活動発表会 あいさつ
皆さんおはようございます。
本日は、生徒研究活動発表会です。
皆さんの日頃の活動を披露していただく発表会です。
本日の発表会に向けて準備を進めてくださった生徒の皆さんや先生方に御礼を申し上げます。
新型コロナウイル感染症の影響から、様々な分野で、十分な取組を行うには制約が多く生じている事態が続いています。その状態はもう3年続いています。生徒の皆さんも、コロナ禍以前の発表の状況を見ているわけではありません。わからない中での取組となっています。
その分、今できることを今伝えられるスタイルで発表する、今までのことに縛られない対応ができると捉えることもできます。様々な制約をマイナス要因と捉えず、新しい物を生み出すエネルギーと考えて今日の発表に臨んでください
発表はリアルタイムのものと展示によるものがあります。リアルタイムの発表は発表者の熱意を、展示は、その作品を通して、作り上げた人が何を考えているのか、何を伝えようとしているのか、皆さん自身が何を感じるのかという見方をしてみてください。
発表や展示を見たあと、皆さんが感じ取ったものを、皆さん自身の言葉で表現することが、言葉こそ交わしてはいませんが、皆さんのコミュニケーション能力を成長させる一つの手段になると思います。同じ学校の生徒が表現に注入したエネルギーを感じ取りながら、皆さん自身の心を豊かにしてください。それができれば、今日の生徒活動発表会は素晴らしいものになると思います。
以上で開会のあいさつとします。
講評
オンラインやSNSでのつながりが当たり前の状態である生活の中で、今日皆さんはリアルな世界での自己表現や発表を行いました。
人に直接伝える体験はどうでしたか。
いつもとは異なるエネルギーが必要だったのではないですか。
発表がうまくいった人も、失敗してしまったと思っている人も、その時その時に、集中して真剣に取り組むことができていれば、その体験は貴重な体験であると思います。
みなさんが製作した作品も、製作の過程で気持ちが込めることができているかが大切なことだとおもいます。
人からの評価もありますが、発表や製作を通して自分と向き合うことができたかどうかで皆さん自身を評価してください。
私は、今日見せていただいた皆さんの熱意は、皆さんの成功体験につながっていく熱意だと思います。
素晴らしい取組と触れることができた時間だと思っています。素敵なものを作り出す熱意を持ち続けてください。
以上で講評とします。
12月
学校保健委員会 あいさつ
本日は学校保健委員会です。
本日のテーマは「感染症予防について」です。
感染症と言えば、新型コロナウイルス感染症の影響を受け始めて、もう3年になります。日々の生活の中で、感染症予防への対応が求められてきた期間です。
マスクの着用や手指消毒など、予防という言葉とともに日常の生活に入ってきた動作があります。
新型コロナウイルス感染症も、感染しても無症状だったり、いつもより少しだけ熱が出たりするくらいであれば、たいしたことはないと考えてしまう人もいるのではないでしょうか。
無事に回復すればいいのですが、中には思いもかけない後遺症に悩まされる人もいます。
誰にそのような症状が出てしまうのかはわかりません。
ですから、感染しないことにこしたことはありません。
コロナに限らず、感染症というものがどのようなもので、どう予防をすれば防ぐことができるのか、予防できる対応を継続して行うことができれば、自分の健康を維持することができます。
感染してから後悔をするのではなく、予防を通して安全を手に入れることが皆さんの日常になるよう、本日の発表の内容と向き合ってください。
ここで、本日の発表の内容について、指導助言を行っていただける先生をご紹介いたします。
本校の学校医を務めてくださっております
医療法人清隆会 佐藤病院で理事長をされております 佐藤 理 先生です。
佐藤先生、発表内容についてのご指導をよろしくお願いいたします。
以上で学校保健委員会のあいさつといたします。
2学期終業式 訓話
皆さんこんにちは。本日、2学期の終業式を迎えました。
今学期も、皆さんには新型コロナウイルス感染症への対応をお願いし、学校行事は、感染症対策を取りながら、実施してきました。感染症への対策は実施していましたが、学校の内外で感染者の増減が繰り返されている状況があります。
新型コロナウイルスの感染予防については多くのことが明らかになっている反面、根本的な解決、治療という点では大きな進展が見られていない状況です。
感染防止のルールを皆さんは油断せずに守り続けているでしょうか。守っていても感染はします。感染してしまうこと自体、攻められることではありません。
皆さんには、感染を防ぐルールを例として、「社会の中で定められたルールや秩序を意識していますか」ということを問いかけたいと思います。
人と一定の距離を保つ。それが難しい場合はマスクを着用する。食事の時は不用意に声は発しない。様々な対応すべき事柄が示されています。窮屈に感じ、我慢ができないという人もいると思います。
ニュースでは、海外ではもうノーマスクという報道がありました。実際はどうなのか、現地の知り合いに聞いてみました。
ヨーロッパの知り合いは、「マスクの着用の判断は人それぞれで、全ての人がノーマスクというわけではない」と言っています。一人ひとりが自分の安全を考えて判断しているそうです。
アメリカに行っている知り合いは、マスクをすること自体の習慣がなかったこともあり、地域や人種、民族によって人それぞれの状況といってました。
アジアのある国の知り合いは、感染を恐れてまだまだマスクは必需品と言うところもあれば、国民の7割以上が感染したと言われているけど、思うように検査ができないから陽性者がでているかどうかもわからない。検査自体しない人が多くなってきている。日本は過敏すぎるのではという話もありました。
先ほど、皆さんには、「社会の中で定められたルールや秩序を意識していますか」ということを問いかけたいと話しました。
人には人それぞれ判断の基準があります。皆さんも皆さん自身の判断基準を持っています。自分の規準に従って行動するとき、自分の周りの人たちの基準を意識していますか。どうでしょう。何から何まで周りの人に合わせろと言うことではありません。皆さんが皆さんの判断基準に従って行動を開始する前に、自分の判断で行動を開始したときに、周りにどのような影響を与えることになるのか、考えてから行動を起こしているかを確認してみてください。
自分はこうしたいと思ったとき、そのように行動する自由はありますが、その行動の結果、誰かに不利益が生じれば、その行動に対しては、責任が問われます。責任の問われ方は、苦情という形になるかも知れません。あらかじめ定められたルールで注意を受けたり、罰せられることかも知れません。自由には常に責任が伴っています。
高校生である皆さんは、今後、社会との関わりが増えていきます。コロナ禍におけるルールだけではなく、自分と社会の関係についても、秩序という視点から考える一面を持つことを意識してください。
冬季休業期間中に、皆さん自身も、皆さんの大切な人たちも、安全の確保ができる状態で新たな年のスタートが切れるよう意識を高めてください。
以上で2学期終業式の訓話とします。