R4下高スケッチ

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チャットGPTにどう対応しようかを考えていました ~3学期の終わりまで

 生徒を前にしたあいさつ等の中で、新型コロナウイルス感染症という表現を極力使わないと言うことを意識した時期でした。感染症状の取扱いが2類から5類に移行することが話題となり、マスクも感染のリスクに応じて着脱することや、個人の判断に委ねられるようになってきた時期でした。自分の考えを理由とともにしっかりと持ち、相手に説明できる状態で伝えることが必要であることを意図的に伝えていました。チャットGPTの日本語表記の精度の向上もあり、AIが人の思考の領域で当たり前のように利便性を拡大していることを目の当たりにし、今後の高校生の学びの意義を改めて考えています。対応が遅いかな。

 今のところ、自分のあいさつの原稿は自分で推敲していますが、急に質が上がったらそれはAIのおかげです。

1月

3学期始業式 訓話
 新しい年が始まりました。
 今、皆さんの心の中にはどのような思いがあるでしょうか。
「「今年も」いい年にしたい」でしょうか。「「今年は」いい年にしたい」でしょうか。それとも、「「今年こそは」いい年にしたい」でしょうか。
 皆さんは一人ひとりが異なる人生を送っていますが、高校生という立場からやがては社会に巣立っていくという点では共通しています。新しい年の始まりに、皆さんの人生の中で大きな変革をもたらす、社会に巣立っていくという時期について考えていますか。
 例えば、今から5年後。全員が20代前半です。皆さんはどのような自分でありたいですか?どのような生活を送っていたいですか?それらは全て、今の自分の人生の延長線上にあるものです。その未来を作るのは誰ですか?皆さん自身ですよね。
 思い描いた自分の未来に近づいていくために、どのような事に取り組んでいけば、その場所に行くことができるのでしょうか。皆さんの人生だから、自分からそこに行きたいと主張をしなければ、誰にもその思いは伝わるものではありません。思いが伝わっても、皆さんが望む世界に皆さんが飛び込んでいく準備をしなければ、未来への思いは儚く消え去ってしまいます。
 飛び込んでいきたい世界やなりたい自分がいる世界があるのであれば、今、自分の足下がその場所に向かってジャンプできる状態かどうかを考えてみてください。
 未来に向かって飛び立つことができるかどうかは、どれだけ足下を固めることができているかということに関連してきます。それは、取り組むべき事について調べたり、身につけるべき事を身につけたりすることをいいます。
 新しい年の始まりの時期に、自分の未来のことと今の自分の状態を比較して、これから用意すべきものを見つけ出してください。自分の未来に関わるものであるのだから、見つけ出すものは一人ひとりが異なっているものだと思います。自分が手にしたい未来を叶えるためのものをイメージすることで新しい年をどのようにスタートさせていくのかを考えてみてください。
 もう見つかっているという人はそれを手に入れるために、これから見つけるという人は、まがい物ではないものを探し出してください。
 3学期は短い期間ですが、今の自分に必要なものを見つけ、未来に向かって進み始めることができるような学期となるよう取り組んでください。
 以上で3学期始業式の訓話とします。

2月

3年生講話
○自己責任の世界
 人の一生の中には、慎重な対応を行うことが必要と思われる場面がいくつもあります。
 3年生の今の時期は、その慎重な行動をとらなければならない場面の一つと考えてもらっていいと思います。今、皆さんが手にしている卒業後の進路は、内定の状態であって、決定ではありません。内定は、入学式や入社式でその世界に入ることが許可された時点で、決定となります。その時までに事件や事故を起こしてしまったり巻き込まれてしまったりした場合、皆さんが進む予定の世界から「私たちの世界の信用を損ねる状態と考えるので、内定はなかったことにします」といわれてしまうことがないわけではありません。ただ、進む予定の世界から支障があると判断されると言うことは、相応の理由があることになるわけですから、そうならないために慎重さが必要になるわけです。
 自分の進路を自分の行動で失うことがないように行動することと、そのような事態に巻き込まれないよう、危険を察知したり回避したりする能力を身につけてください。
 今年、皆さんは18歳となり、成年としての対応が求められることになりました。高校生のうちはあまり意識することはなかったと思いますが、高校を卒業したあとは、様々なところで、「今ここで、あなたの考えで決めることができることですよ」といわれる場面が増えると思います。大人としての判断と、その判断による責任が求められます。目の前に現れる様々なことに対して、自分が対応しなければならないものなのか、対応したらどうなるのか、結論を出す前に考えて、自分が不幸にならない判断をしてください。
 毎年、全国で高校を卒業したばかりの人たちをターゲットにした勧誘から生じるトラブルがたくさん起こっています。
被害を受けないように。
○目標を設定する
 皆さんは、これからの人生、どのように送りたいですか。どのような生活を送りたいですか。自分の人生のビジョン、夢や理想、なりたい自分を思い描いていますか。なりたい自分になるためには、何をしたらいいのか、わかっていますか?
 自分の叶えたい人生の状況をイメージして、それを目標として、その目標を実現するためにはどうしたらいいのかを考え、取り組んでください。そのことには何が必要となってくるのか。
いい人とのつながりが重要です。いい人とつながることができる世界に自分を持って行ってください。

実際に話し始めたら大きく脱線しました。

3月

令和4年度 群馬県立下仁田高等学校 第74回卒業証書授与式 式辞
 例年になく厳しい寒さに見舞われた冬の季節も過ぎ去り、春の訪れを感じるこの佳き日に、PTA会長 松井 義博 様、副会長 佐藤 朋美 様、高嶺会会長 大手 博幸 様、卒業生の保護者の皆様のご臨席のもと、第七四回 群馬県立下仁田高等学校 卒業証書授与式 を執り行うことができますことを、心より厚く御礼申し上げます。
三一名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。入学してから今日まで、皆さんは、様々なことを学び、吸収し、華開かせる努力を続けてきました。高校生活の中で築き上げてきたものは、新しい世界へ皆さんを飛躍させようとしている力になっていると思います。皆さんが積み重ねてきた努力の賜物です。その努力は、言葉では簡単に言い表すことのできない、今までとは大きく異なったものだったのではないでしょうか。
 高校生活の始まりには、先行きの不透明な時期がありました。健康上の安全を優先することを第一に考えなければならない日々が続きました。皆さんは学校からの呼びかけに応え、安全の確保の実現と維持に協力してくれました。その対応から、予測し得なかったことに耐える力、そして適応する力を身につけていったのではないでしょうか。
 皆さんが高校生として過ごした日々は、世の中全体に、手本とするものが存在しない中で、新たに生じた事態への対応が求められる状態でした。何が正解なのか、用意された答えがないところに、自分たちにとって、そして世の中の人々にとって、最善と思われるものを考え、創造し、形にしていくことが求められていました。このことは、まさに皆さんが高校時代に体験し、対処したことではないでしょうか。皆さんの高校生活は、答えが用意されていないことに対応する力を養った時間であったと思います。
 その高校生活の中で、多くの思いを自分の中で押さえ込み、消化し、仕方がないと納得させていたこともあったのではないですか。その時その時のおかれた環境に、自らの生活を合わせ、対応しなければならなかったことは、辛い出来事であったと思います。それらのことを乗り越えてきた皆さんの取組と行動を、称賛したいと思います。
 皆さんは、高校に在学している期間に一八歳を迎え、成年となって高校を卒業する最初の学年でもあります。皆さんが活躍の場を広げていく社会は、政治も、経済も、人の集団も、これまでの常識を当てはめるよりも、前例にない、斬新な方法で望んでいくことが求められているのではと思える程に、変貌しています。
今までにはない、新しいものを作り出していく姿勢で、皆さん自身の人生を、そして、皆さんの周りにいる人たちの人生を、豊かなものにしていくことに取り組んでください。皆さんが、多感な時期を過ごした下仁田高校で、学んだり体験したりしたことが、その取組を後押しする力になれば幸いです。
 結びに、本校の教育活動にご理解とご支援を賜りました保護者の皆様に、改めて御礼を申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様の健やかな成長を願い、支えてこられた保護者の皆様には、喜ばしいことも、ご苦労されたことも、ともに多かったことと思います。今日の佳き日を迎え、成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。
 教職員一同、心よりお慶びを申し上げます。
 卒業生の皆さんの前途に、幸多からんことを祈念いたしまして、式辞といたします。
              令和5年3月1日
                群馬県立下仁田高等学校 校長 上原 功

令和4年度 3学期終業式訓話
 令和4年度における学校での活動に区切りがつこうとしています。
 年度の終わりの終業式では、「この一年間を振り返り、その反省を生かしながら次の学年の目標を考えてみましょう」という発信が一般的だと思います。 そのことも伝えたいことではあるのですが、そのこと以上に、今日は皆さんに、意識して欲しいことや考えて欲しいことがあります。
 この3月、4月、5月で、皆さんを取り巻く社会のありかたが大きく変化をしていきます。いろいろなことが変わるのですが、新型コロナウイルス感染症への対応、中でもマスクの着用の対応を取り上げて話しをします。
 マスクの着用については、先日3月13日以降、多くの業界で「個人の判断に委ねる」としてガイドラインの見直しが行われました。ショッピングモールやゲームセンター、カラオケ店など、それぞれの表現で発信が行われています。皆さんの生活の場面場面で、ここではこうして欲しいのだけれどという先方の要望が示されている状況で、最終的には「あなたの判断に委ねます」という提示の所がほとんどです。「ここでは、マスクについてはこうしてください」という明確な指示を出している業界は一部です。
 新たなルールが示されていますが、感染への不安の声が残る中で、対応に悩んで、最終的には「あなたの判断にお任せします」としたところが大半となっています。
 皆さんは、自分の判断の基準を持っていますか。
 意識して欲しいことや考えて欲しいことは、皆さん自身が自分の判断規準を持っていますかと言うことと、その規準について、人の同意を得ることができる内容で相手に伝えることができますかということなんです。
 以前のように、全員に対して同じことが求められていた状況が、個人の自由な判断に変わります。その時、皆さんの判断はどのように対応しますか。
 周りに合わせますか。自分の考えを貫き通しますか。その時の状況で対応を考えていきますか。
 「個人の判断に委ねる」と言うことは、その人がどのように判断していてもその判断は誤っていないということなんです。ただ、100%正解なのかというと、そこは違ってきます。誤っていないのなら正解だろうと思うかもしれません。どういうことなのか。個人の判断の規準になっている部分に、100%自己中心の考えからの判断なのか、周りに人への気遣いを考えた上での判断なのかで、判断理由の説明が異なってきます。周りの人への気遣いや思いやる気持ちから判断すると、自分の都合だけで判断したこととは異なった対応を行うことが社会に受け入れられる判断になるかもしれません。
 皆さんにはそのような判断の方法もあることを、改めて確認してもらいたいと思っています。
 新型コロナウイルス感染症の話しが中心となっていますが、高校生の皆さんを取り巻く状況は、ここ何年かで大きく変わっています。自分で考え、相手に説明できる理由と、相手の同意を得られる理由を発信できることが求められています。
 4月から、ここにいる全員の環境が新たな環境へと変化をしていきますが、その変化の中で、自分がどう行動したらいいのかを考えるとき、今話した内容を思い出し、周りの人が嫌な思いをしないためにはどうしたらいいのかを、自分の判断の中に加えてください。 自分の判断に責任を持てる状況を作り上げられるよう考えを巡らせることができるようになって新たな環境での生活に望んでください。
 以上で3学期終業式の訓話とします。

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