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2022年8月の記事一覧

暑さとコロナと ~1学期の終わりまで

 6月は例年にない季節を先取りした暑さと熱中症対策から、教室内の換気の有り様とマスクの着脱の対応が、教壇で指導される先生方にとって意識を払わなければならない事案となっておりました。
 新型コロナウイルス感染症の第6波がおさまりを見せてきたことから、学校行事の実施に向け、準備に取り組み始めた時期でもありました。感染状況を見ながら、実施できる学校行事については実施の方向で取組を進めてまいりました。高校卒業後、進学するにしても就職するにしても、多様な人間関係の中で自己の主張と自他の考えの調整を図りながら生活を送るためには、高校生活の中で様々な体験とより高度な耐性を身につけていく機会を用意して上げたいと思っているところです。
 様々な機会に発信した原稿を見返してみますと、生徒が、将来、悲観する立場にならないよう心配が先行した内容になっているものが増えてきているように感じてしまいます。


6月 2年生インターンシップに向けた講演

 昨年度の2年生は、新型コロナ有為居留守感染症の関係で、インターンシップをい実施することがかないませんでした。今年は、十分な感染症対策野を取りながら実施したいと思います。
 始めに、皆さんには、インターンシップの目的を確認して欲しいと思います。勤労観や職業観を形成し、職業に対する知識を増やして自分の将来の在り方を考えていくために実施する取組です。
 少し細かく見ていきましょうか。
 勤労観についてはのようなイメージを持っていますか?何のために働くの?自分の生活を成立させるため?自分が守るべき人たちの生活を支えるため?社会のコミュニティを成立させるため?一人でも多くの人の幸福を実現するため?どれもが回答として成立するのだけれど、皆さんの勤労観のスケールはどの当たり?
 いろいろな考えがあっていいんです。人の社会の中で生きていくとき、お互いが支え合って生きていく社会構成するために、働くことをとおして社会を支える役割を担うことはたいせつなこと。そこに気づくことが大切。
 職業観はどうだろう。皆さんにはどのような職種の仕事についてもかまわない、職業を選択する自由がある。どのような世界で働くのかを決めるのは皆さん自身。自分が憧れている職業を選ぶ。そのためにはどのようなことに取り組む?好きなことをやる(自分で決める)?夢のためなら苦労はいとわない生活を送る?自分のイメージした生活ができる収入が得られる職業を選ぶ?家族に勧められた職業に就く?家業がある人は家業を継ぐ?
 いろいろな選択肢があるのだけれど、職業と自分のイメージする生活水準を重ね合わせて考えたことはありますか?家庭科や公民科の授業で触れていると思うけど、社会を支えるために納める税金などのお金や、自分の将来に備えるためのお金は考えているかな。少しだけ紹介するね。
 働いて得た収入からみんなが支払うべきものとして、所得税(10%)、住民税(県民税、市町村民税:10%)の納税、健康保険(10%)、介護保険、公的年金(国民年金は20歳から約17,000円(R4:16,590)、厚生年金は10代でも会社員は収入の9.15%が摘要、雇用保険(3/1000%)の納入などがある。テレビのコマーシャルでよく見かける民間の保険の契約は?考えている?これらのほかに、自分の生活の必要経費:衣食住(衣服、食費、家賃、光熱費、通信費)、自動車(税金、保険、ガソリン代)、交際費、将来に向けた貯蓄等、諸々の経費が必要になる。これらのことを考えることは、将来の職業を考えるとき、大切なこと。人任せにしてはいけないところだよ。仕事選びの一つの要素。
 職業を選ぶとき、みんなの職業の知識はどうだろう。
 その職業を行うときに、どのような知識や技術が必要で、それらを身につけるためにはどのような学びや経験が求められ、どのような資格が必要なのかを知ることが大切。社会に出る前に取得できる資格と社会に出てからも取得できる資格があるのだけれど、社会に出る前に取得できる資格を社会人になってから取得しようとすると、時間、費用、その資格を用いて就くことのできる職業への就職の点で苦労するケースが多いということは時々耳にします。ケースバイケースだけれどね。社会に出て経験を積まなければ取得できない資格、資格と表現することの是非はあるけれど、資格=職業上の信用という現実があります。
 そこで、インターンシップ。
 体験してくる職業から考えて欲しいことは次のこと。仕事内容は自分に向いている?自己の個性は?デスクワークやPC操作?業務内容を理解する知識、相手の話を理解する知識や能力、自分の伝えたいことを相手に伝える表現力はどうだろうか?対人対応は?要求する側から要求され対応する側への変化がある。組織内対応だから職場の中でのチームワークは?クレーム対応はできるだろうか?サービスを利用する人からの苦情対応があったら者印の人は同対応しているか知っているかな。
 インターンシップを体験して理解して欲しいことを伝えます。皆さん自身の立場がが変わっていくこと。変わっていく立場に自分が対応できる準備を行っていくこと。自分がやりたいと思っていることと一致する世界を見つけること。インターンシップはその入り口です。様々な体験、貴重な体験をしてきてください。その上で進路の実現に向けた取組を始めてください。
 いろいろ話したけれど、貴重な経験ができます。自分将来につながる世界を考えるきっかけにしてください。


6月 第1回学校評議員会 委嘱状交付・あいさつ
(学校評議員の皆様に発信したものです)

 学校評議員の皆様には、本校の教育活動のために、貴重なお時間をいただきありがとうございます。皆様のお座席に令和4年度の学校評議員委嘱状を置かせていただきました。本来であれば委嘱状を手渡しでお渡しさせていただくところではあるのですが、感染症対策の関係もあり、失礼をご容赦ください。皆様を学校評議員として委嘱申し上げますのでよろしくお願いいたします。
 さて、5月中旬以降、新型コロナウイルス感染症による感染者数の推移が減少傾向にあり、県の警戒度も1となっておりますので、御参集いただいての開催とさせていただきました。
 昨年度、本校では、感染症対策に十分注意を払いながら、取り組むことができる活動を可能な範囲で実施していく方針で学校運営を進めておりましたが、実際のところは大半の行事が中止となり、わずかに、校内における生徒会行事を中心とした取組を実践するにとどまってしまいました。
 県内では、高校生の感染状況については感染防止対策を継続する状況が続いており、感染者も未だ散見される状況があります。そのため、本来であれば皆様には授業の様子や校内の施設設備等をご覧いただいた上でご指導いただくことが好ましいことではあるのですが、今回はご猶予をいただければと考えております。
 本年度は、感染症対策を十分に取りながら、各種の取組を実施していく予定ですが、コロナ禍以前とは異なり、コロナ禍における取組という条件の下での実施となります。現在、地域社会との連携を図りながら実施して参りました荒船風穴のボランティアガイドの取組を始めとして、地域コミュニティとのつながりを新たな形で拡充していくことへの取りかかりを始めております。
 本日は資料をご覧いただきながら、学校の取組や学校評価に係る内容について、評議員の皆様からご意見やご提案を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


6月 生徒会レクリエーション あいさつ

 本日の生徒会レクリエーションの開催にあたり、企画並びに運営準備をすすめてくれた生徒の皆さんに御礼を述べたいと思います。ありがとうございます。
 生徒会レクリエーションは、「学年の枠を超えたグループの活動をとおして、学校生活を充実させ、よりよい人間関係を築く。」ということと、「お互いの意見を大切にし、思いやりと協力する心をはぐくむ。」という生徒会の皆さんの意図があります。
 マスク越しのコミュニケーションになりますが、学年の枠を超えたチーム構成の中で、「協力しあう」というところにポイントをおき、これからトライするレクリエーションを楽しんでください。


6月 野球部壮行会 あいさつ

 7月9日(土)から、第104回全国高校野球選手権大会群馬県予選が開催されます。今年は、感染対策を実施した上で、昨年度実施が見送られた開会式を、上毛新聞敷島球場で行う予定になっています。本校は、連合チームで出場します。連合を組む学校は、前橋西高校、四ツ葉学園中等教育学校、嬬恋高校、尾瀬高校、そして本校の計5校です。
 野球部の皆さん、野球はチームとして勝利を目指す競技です。チームが勝つために自分に求められてくる役割を確実にこなすことが日々の練習の成果を現すことと重なってきます。日頃の努力をプレーにつなげてください。また、グランドに立ってプレーをする選手も、選手のプレーを支える人も、ともに協力し合って始めてチームプレーが成立します。試合に臨む闘志とスポーツマンシップに則ったフェアプレーの精神を噛み合わせて、チームとして実力を発揮することができるようになることを意識してください。
 2、3年生の皆さんには昨年度の野球部の壮行会の時に、「高校に在学している期間に、一度は野球場のスタンドから、グランドでプレーする選手の応援を経験してみて欲しい。」という話しをしました。昨年度はコロナでかないませんでした。今年、応援が可能になるかは感染症の状況次第ですが、日程や試合会場への交通手段等、無理なく応援に行くことが可能な球場での試合となりましたら、選手を応援する体験をしてみてください。
 球場には、それぞれの学校がまとまって入場する時間があります。制服で学生証を持っていれば無料ですが、私服だと高校生料金の入場になります。
 スタンドから皆さんの応援が、選手のパフォーマンスを引き出す力になると思います。
 それでは、野球部の皆さん、頑張ってきてください。


6月 ぐんまコミュニティ・ハイスクール あいさつ
(ぐんまコミュニティ・ハイスクールの委員の皆様に発信したものです)

 下仁田高校校長の上原でございます。昨年度より本校の校長として勤務しております。コロナ禍とは言え、この会での、対面でのご挨拶が遅れましたこと、お詫び申し上げます。
 皆様には、日頃より下仁田高校の教育活動にご理解とご協力をいただきありがとうございます。また、本日はお忙しい中、ぐんまコミュニティ・ハイスクール推進委員会にご出席いただき感謝申し上げます。
 昨年度は新型コロナウイルス感染症の関係で全て書面にての開催となりましたが、今回は、県教育委員会高校教育課から丸山指導主事様の御出席もいただき、開催させていただくことができました。
 ご参集いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。
 ぐんまコミュニティ・ハイスクールは、1期2年の期間で群馬県より指定を受けて取組を行っている県立高校の事業です。本校は現在4期目、通算8年目の実施継続期間中となっております。代表的な事業といたしましては、世界遺産の一つであります、荒船風穴のボランティアガイドの活動は、本事業の取組の一つです。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、3期目の後半からこの2年間、多くの取組が実施困難な状況になってしまっております。
 本日は会の中で、令和3年度の状況についてご報告申し上げますとともに、従前からの取組を続けていこうとしているものと、4期目の途中ではあるのですが、取組の形態や方法について新たに進めようとしているものについて説明をさせていただきます。
 委員の皆様には貴重なお時間をいただいております。
 様々な視点から、ご意見、ご指導を賜れればと考えております。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。


7月 保健講話 あいさつ並びに講師紹介

 本日のこの時間は、保健講話となります。
 心も体も急激な変化を迎えている思春期の皆さんに対して、性のこと、感染症のことについて伝える時間です。
 性のことや感染症のことについては、保健の教科書にも記述がありますが、一般的に、多くの高校生の記憶に残るのは、友達同士の会話、インターネットやSNSを介して得た情報といわれています。それらの情報の中には、正確なものもあれば、正確でないものや荒唐無稽な作り話も少なくありません。
 正しい知識を持っていれば、自身の健康な体をつくり、維持することができます。自分の健康を管理する知識を増やしてください。
 それでは講師の先生を紹介いたします。
 本日の講師を務めてくださる先生は、高崎市にある、舘出張 佐藤病院(タテデバリ サトウビョウイン)で院長を務められている 佐藤 雄一 先生です。
 佐藤先生は、ホームページの中で、「私たちの役割・使命は、すべての女性の相談役であり、また、すべての女性に元気になってもらうこと。すべて女性が生活しやすく、子供を産み育てやすく、楽しく過ごせる社会になることが願いです。」と述べられています。
 今回、佐藤先生には、「思春期の性と性感染症」というタイトルで、思春期の性と性感染症、妊娠や出産に係る内容についてお話をいただきます。
それでは先生、よろしくお願いいたします。


7月  生徒総会第2回 あいさつ

 本日の第2回生徒総会の内容は生徒会役員選挙となります。
 この4月から18歳成年の制度が始まっています。高校在学中に、大人としての権利を行使すること、それに伴う責任が求められる社会となっています。権利の例としては、自分の判断で契約を結ぶことができます。責任の例としては、刑事裁判で人を裁く裁判員として、法廷での活動を求められることがあっても不思議なことではありません。
 選挙権については、18歳成年の制度に先立って制度化されています。先日、国政選挙の参議院議員通常選挙が実施されました。参政権を行使することができるようになった人は自分の権利を投票という行為で実施することができた機会です。マスコミの取材の中で、自分の一票で社会が変わるとは思わないという回答をする人がいます。投票で結論を出す行為は、一票の違いであっても票の多い方の主張が通る仕組みになっています。
 これから皆さんは、生徒会のメンバーを選ぶ選挙を行うわけですが、その一票を投じるとき、自分の中で、この一票の内容に決めた理由を必ず考えてください。校内における投票は皆さんの代表を選ぶとともに、18歳になったら皆さん自身の権利として行使することができる参政権について、なぜそのように決めたのかを考える練習でもあるのです。そして、投票したあとは「選んだから、後はお願い。」ではなく、生徒会の企画や提案に協力したり、別の提案をしたりすることで、選んだ側の責任を果たすことができるよう行動してください。
 本日の投票活動が、在校中に成年となる皆さんに、プラスになることを願って、あいさつとします。


7月 1学期終業式 訓話

 本日、1学期の終業式を迎えました。
 新しい学年でスタートしてから約4ヶ月。今年ほど、皆さんを取り巻く社会情勢が変化をしている年は珍しいです。今月は刑法という法律の改正された部分が施行となりました。遡ると4月には民法の改正された部分が適用されています。皆さんに係るいろいろな変化が起こっている中で、今日は、バランス感覚の話をしたいと思います。
 人が存在する社会は、自分の主張と相手の主張の調整を行う場でもあります。適度なところでとどまらないと、争いのような行き過ぎた事態が起こってしまいます。皆さんの周りでも、一線を越えてしまうと、自分では問題がないと考えていても、法による指導や処罰の対象となることが増えてきています。皆さん自身のバランス感覚はどうでしょうか。
 社会で考えられている「超えてはいけない一線」と皆さんの中にある「自分の判断では問題がないとする一線」の基準が、一致しているか非常に近い位置関係にある場合は、人間社会の中でバランスのとれた状態です。
 先ほど、2つの法律の名前を出しました。いずれも皆さんに知っておいて欲しいことがある法律です。この法律とバランス感覚の話をします。
 最初の刑法では、誰もが見たり聞いたりすることができる状態で、特定の相手を軽蔑する言動や行動をとった時、対象とされた相手から、一線を越えていると判断され訴えられた場合、皆さんの身柄を拘束したり罰金の支払いを命じたりする規準が大きく変わっています。誰かのことを自分の言葉で表現する際、自分のバランス感覚が、社会で考えられている「超えてはいけない一線」を超えていないことに十分すぎるくらい気をつけてください。
 もう一つの法律、民法についてです。18歳になったら保護者の承諾を得ずに契約ができるようになりました。変な契約にだまされないよう気をつけてという呼びかけが、全国至る処で行われています。そのため、契約を結ぶ前に、皆さんのバランス感覚を崩してから契約させる手法が増えています。楽しそうなイベントにたくさん誘ってイベントの中で人間関係を構築します。楽しいイベント、人間関係、いい人ばかりという構図を意図的に作り、皆さんのバランス感覚を崩し、洗脳して支配する方法があります。「楽しい生活を続けるためにはお金が必要だけど、そのお金を効率よく手にすることができるバイトを紹介するよ。」といい、「高校生でもできるから」といって会員制の仕事を紹介してきます。まず会員になって、自分で商品を購入し、その商品を販売すれば、購入金額と販売価格の差額が自分の収入になるという方法です。「お金がない。」というと、「クレジットカードを作ってローンを組めるよ。未成年は親権者の署名と電話確認が必要なんだけど、私が電話で話をして上げるから大丈夫。カードは特典がたくさんあって便利だし、返済はリボルビング払いがあるから、月々の返済金額は少なくてすむんだよ。」といいます。リボルビング払いは分割支払いのことです。返済する金額に利息が付くので、一定金額以上の買い物をしたとき、月々の返済金額の設定によっては、毎月支払いを行っても、それは利息のみの支払いで、お金を払い続けても、最初に借りたお金が全く減らないという設定を組むことができます。このような設定を仕掛けられるという被害も出ています。皆さんのバランス感覚を崩すために、「友人を会員として紹介すれば、一人紹介するごとに紹介料を何万円か出せるよ」という誘い文句もあります。「とりあえず3ヶ月でいいからやってもみない。月に友達2~3人紹介してくれれば商品の代金はただになるようなものだし、何よりも商品を販売する仕組みを勉強することができるから、将来の役に立つよ。」このような誘い文句で、月々10~15万円程の商品の購入契約を成立させます。そうそう簡単に商品が売れたり、会員になってくれる友人がいたりするわけではありませんから、気がつけば3~4ヶ月くらいで50~60万円の借金を背負うことになります。このような商法をマルチ商法と言います。
 今、民法の契約に係る話をしました。マルチ商法という話しもしました。内容がいろいろあってよくわからないという人がいると思います。一回聞いたくらいではよくわからないと思います。なぜなら、人の正常なバランス感覚を崩す仕組みって複雑に作り込まれているから。
 そこで対処方法です。本当に信用できる人間以外に自分の個人情報を簡単に伝えない。氏名、住所、携帯の番号、メールアドレス。SNS上はもちろん、対面であっても慎重になる。18歳になっている人が気をつけるのは当然だけど、18歳になっていない人は、これから契約を取れる人たちだから、十分注意する。
 自分の情報を適切に扱うバランス感覚を失わないように。
 さて、話をまとめます。明日から長い夏休みになります。2学期が始まるとき、自分が発信した情報や、対応した出来事等で、不安を抱えた状態で新学期を迎えることがないよう過ごしてください。不安を抱える状況を生じさせてしまったら、早めに担任の先生に相談してください。
 自分の安全を自分で確保するという感覚で、十分過ぎるほど注意を払いながら、自分の将来を作り上げていく有意義な夏休みにしてください。
 以上で訓話とします。

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