R4下高スケッチ

始まりの2ヶ月

 令和4年度がスタートして2ヶ月が経とうとしています。3月の終わりに開花し始めた桜が満開に近づいた4月1日、学校周辺の山々はまさかの雪景色でした。学校の南を流れる鏑川の渓谷から吹き上がる風に、桜の花びらが空たたく舞い上がる中、新学期のスタートを迎えました。
 在校生と新たに迎えた新入生たちは新しい生活を順調にスタートさせたようです。新しい環境に慣れ、そろそろ自己の主張が盛んになってくる頃でしょうか。18歳成年のスタートの年でもあるため、年度初めは権利や責任を意識して生徒たちに言葉を投げかけてきました。始まりの2ヶ月は、高校生活を送る中で成年を迎える生徒たちが、自らの心の内にある考え、思い、感情などを、誤解されることなく表現することができるよう成長してくれることを願ってやまない時期でした。そのような思いから生徒に発信した言葉を掲載します。


令和4年度 始業式
 おはようございます。
 本日より令和4年度の1学期が始まります。
 皆さん自身も、新しい環境での学校生活が始まります。実りある学校生活にして欲しいと願ってやみませんが、新型コロナウイルス感染症による日常生活への制約は、まだ、続いてしまいます。先が見えないことへの対応は、不安を感じストレスの原因になります。ですが、今まで実施してきた感染症対策に継続して取り組んでください。
 さて、在校生の皆さん。高校生活の時間の流れはいかがですか。高校生のうちに身につけたり取り組んだりしようと思っていることはどのくらい達成できていますか。
 3年生、1年後の自分の姿を想像できますか。3年生には、1年後、笑顔で希望する世界に進んでいて欲しい。
 2年生、全員が高校生としての1年間という時間の流れを体験しました。1年という時間の中で、皆さんはどれだけのことに取り組むことができましたか。その取組は、皆さんを、皆さんの夢の実現に近づけている取組ですか。
 昨年度、全員の前で話しをする機会があったときには、「なりたい自分を見つける。なりたい自分になる。」という内容を伝えてきました。そのとき、「将来、皆さんの笑顔が誰かの笑顔を作り出すことができるといいですね。」という話もしました。皆さんが今向き合っている高校生としての自分の人生は、皆さんの夢の実現に近づいていますか。
 3年生は、自分の進路を実現する学年となります。進路を決める時期に「そのときになったらいけるところでいいや」と考えるのではなく、そのときまでにいろいろと考え、様々なことに取り組み、自分で納得できる進路を実現することができるよう取組を進めてください。
 2年生は、学校生活を充実させながら、将来の夢を実現する力を蓄え続けていく年です。これからの1年間の準備が、将来、自分が笑顔になれる生活につながる基盤になっていきます。「高校2年生の1年間は、このことに取り組みました。」と言えるものを手にすることができるよう、時間を有意義に使ってください。自分のこれからの人生をどうしたいのか、意思表示ができるようにもなってください。
 そして、今日は、皆さんの背中を追う一年生が入学してきます。新入生は、上級生の取組を見て、自分のこれからの高校生活をイメージしていきます。皆さんは、新入生に大きな影響を与える存在です。皆さんが与える影響は、外部の方から皆さんへの評価として皆さん自身に返ってきます。先日も、来校された方から、生徒の皆さんが大きな声であいさつをしてくれてうれしかったです。機会がありましたら生徒の皆さんに伝えてくださいとの言葉をいただきました。外部の方に対しても、新入生に対しても、顔を上げてプライドを持って接することができることを意識して、新学期をスタートさせてください。以上で1学期始業式の訓話とします。


入学式式辞
 校庭の桜が見事に咲き誇り、春の装いに彩りを添えているこの佳き日に、ご来賓としてPTA会長 渡邉 圭一様、高嶺会会長 大手 博幸様をお迎えし、保護者の皆様のご臨席のもと、令和四年度 群馬県立下仁田高等学校入学式を挙行できますことを、心より感謝申し上げます。
 ただいま、19名の新入生の入学を許可いたしました。新入生のみなさん、入学おめでとう。
下仁田高校への入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様におかれましても、御子女の高校への入学を心よりお喜び申し上げます。
 さて、新入生のみなさん。この下仁田高校で、皆さんの高校生活が始まります。ここからの3年間で皆さんの生活は大きく変わります。高校生になったことで生活のリズムや活動の範囲が変わります。そして一八歳になると、成年としての権利や責任が発生します。そのような変化の中で、充実した高校生活を送るために、高校生として自分が成し遂げたい目標をもってください。目標は一人ひとりが異なりますが、目標の根幹にはこれからお話しする3つのことを据えて欲しいと思います。
 一つめは、規範意識を形成すること。何が正しいことなのか、何が善きことであるのかを考え、判断し、行動に結びつける能力を身につけてください。規範意識を形成することは、皆さんの信用を高めることにもつながっていきます。
 二つめは、コミュニケーション能力を高めること。人は自分の心の中の思いを言葉に置き換えて相手に伝えています。自分の思いが相手に正確に伝わっているのか、誤解されていないか、その確認を取りながらお互いにわかり合うことができる能力を身につけてください。誤解のない相互理解は皆さんの人間関係を豊かにしていきます。
 三つめは、主体性の確立を図ること。皆さんは、いずれは社会に巣立っていきます。自分の人生の進む方向を自分で決めることができます。なりたい自分を見つけ、なりたい自分になるために、自分の力で行動を起こしていくことが大切です。そのための行動を起こす主体性を身につけてください。
保護者の皆様、御子女の皆さんは、本日から高校生として生活をスタートいたします。高校では、授業に出席し、各科目の単位を修得することで進級が認められます。単位の修得には、テストや課題等において必要な成果をあげることはもちろんですが、学習活動の中で、主体的に学習に取り組む態度についても評価の対象となります。時には、求められる成果の前に心がくじけることがあるかも知れません。また、18歳の誕生日を迎えると、高校在学中に成年となります。社会の中では大人として扱われますが、心の成長はひとそれぞれです。高校在学中に経験する様々なことを乗り越え、卒業後、希望する社会へと巣立つためには、保護者の皆様のご理解とご協力が不可欠です。私たち教職員も、生徒が自らの手で自らの未来を拓き、希望をかなえることができるよう力を注ぎます。生徒の健全な育成、成年にむけて良識ある成長を図るため、保護者の皆様のご助力ご協力を賜れますよう、この場をお借りしてお願い申し上げます。
 結びになりますが、新入生一人ひとりが、自身の成長を自覚し、充実した高校生活を送ることができることを祈念して、式辞と致します。


対面式 あいさつ
 対面式に当たり、生徒会の皆さんを始め、準備に携わってくださった皆さんに御礼を申し上げます。
ありがとうございます。
 昨日の入学式を経て、本年度は新たに19名の1年生を迎えました。
 本日の対面式により、全ての学年がそろって令和4年度の学校生活を開始することになります。
 上級生の皆さん、下級生は上級生の行動を見て自分たちの学校生活に反映させていきます。3年生は3年生としての立ち振る舞いが、2年生は2年生としての取組が、1年生から見て超えるべき目標となるような行動を実践し、学校をリードしてください。
 1年生は、自分の中で実現したいと思う上級生の素晴らしいところを見いだし、身につけることができるように励んでください。
 上級生と下級生のそれぞれの立場の連携や取組は、社会や地域の方々からの皆さんに対する評価につながっていきます。誰かの素敵な行動も、誰かの身勝手な行動も、社会の中での下仁田高校の生徒に対する評価として、全員で受け止めることになります。
 対面式は、全ての学年がお互いにいい意味で影響し合うことを誓う式でもあります。
 皆さんの対面式後の行動が、充実した学校生活や、よりよい学校作りにつながっていくことを期待して、あいさつとします。


R4 生徒総会挨拶
 皆さん、こんにちわ。
 はじめに、本日の生徒総会の開催に向けて準備をしてくれた生徒の皆さんや先生方にお礼を述べたいと思います。
 ありがとうございます。
 さて、生徒総会は、皆さんが社会の中で、自分の意見を主張したり実現したりするための方法を、学校の中で疑似体験することが、開催のねらいの一つになっています。社会への参加の仕組みは、18歳選挙権、18歳成年がすでに実施され、皆さんの中には社会人としての権利を行使することができる人、社会人としての責務を求められる人も出てきています。学校での体験よりも社会の中での権利の行使が先行している人も出てきています。そこで、生徒総会を機会に、皆さんに意識して欲しいことがあります。
 社会に参加する仕組みや手続きはたくさんあります。どんなに素晴らしい意見でも、その意見を表明し実現していく段取りを知らないと、その意見が世の中に採り上げられることは難しい。
 本日の生徒総会も、議案が提案され、審議されて結論に至ります。提案される内容も大切ですが、結論に至るまでの過程を含め、自分たちが取り組んできた手順が、社会の中ではどのように実施されているのか、その点を自分が理解できているのかを意識しながら、生徒総会に望んでみてください。
 終わりに、昨年度の生徒総会は新型コロナウイルス感染症の影響から、リモートでの開催でした。本年度は群馬県の警戒度が2であり、学校外の方の参加はありませんので、対面での実施としましたが、未だ、各地でクラスターの発生が続いており、新型コロナウイルス感染症への予防対策が必要な状況です。引き続いての感染防止対策をお願いして、開催のあいさつといたします